Natccuのようなアーティストは、その才能を遺憾なく表現する言葉を探す事が難し い。
東京に生を受けたNatccu(“ナッチュ”)は、シンガーであり、ソングライターであり、 シンガー・ソングライターではない。彼女の音楽は、簡単な説明を困難にするダーク なエッジの効いたポップスだ。それは多層で、予測不可能で、そしてディープであり ながら、瞬時に人の記憶にとどまる。UKとアメリカのアーティストに大きく影響を受 けながらも、東洋の繊細さも兼ね備え、それが彼女の音楽を全く独自なものにしてい る。
中でも秀逸なのは彼女の歌声だろう。それは時としてヒステリカルでドラマチックな パッションに満ち、そして静かな、魅惑的な、または甘い歌声と変化するが、その急 速な変化を常にコントロールしていく。Natccuのボーカルは使い古したギターとタイ トなリズムに敷き詰められながら、シニカル、怒り、希望、そして美しさを次々と表 現する歌詞にのせられるのだ。
ファーストアルバム‘Sketchbook’は、叙事詩のようなメロディーと自主制作のよさ が溢れた作品となっている。このサウンドは、しなやかでエキサイティングなものに 発展し、今までにない破壊的にクールな新しいポップ・ソングの一群となっている。
2008年10月のUKツアーでは、マンチェスターが誇るIn The Cityフェスティバ ル出演を果たし、イギリスの田舎町で収録されたラジオ・セッションは、海をわた り、ニューヨークのブレークスルー・ラジオ局を経由して50万人のリスナーに届け られた。2009年3月には渡米、ロスと、テキサスで行われるSouth By Southwest フェスティバルでライブを行う。
どれだけの言葉をちりばめても、Natccuの不思議な魅力と、そのちょっと角々しいよ うな、それでいてハマってしまう彼女の音楽を的確に表現することは出来ない。自身 の耳で聴いてみるしかないのだろう。




